7月:淡々と

 

 

 

 

クラシックのコンサートはこの時期はオフと言われ、肌寒くなる時期がメインシーズンです。
秋から冬はオシャレの時期、コンサートへ出掛ける装いも楽しみの一つとして考えられているのでしょう。

歌い手のこの時期はメインシーズンのためのお稽古が多くなります。
オペラの稽古は数ヶ月に渡りますので、暑い最中は稽古場!!!
また、声の調整や心身のメンテナンスとして海外の空気に触れに行く時期でもあります。
イタリアの太陽は熱いです!
照りつく太陽の中、ミネラルウォーターを片手に長い距離の石畳を歩き、
石造りの建物の中へ入るとひんやりとするあの感覚は何とも言えません。
額の汗を拭いながら、中から見る石畳の上にある影。
こうしたたわいも無い感覚がエネルギーになります。

日本は梅雨の頃となり、深い緑も雨で濡れてしっとりとしてます。
梅雨に濡れた緑の中に、ふと甘い香りが漂います。
そう、クチナシの香りです。
我が家の鉢植えのクチナシも満開、家中に甘い香りが漂います。
感情を込める事が音楽や歌ではなく、
淡々と歌うことの難しさを教えてくれた「くちなし」。
この曲を歌えるようになった時の喜びを思い出しました。
淡々と歌う、ということはけっして無表情ではありません。
満ち溢れる感情や音楽性を押し殺す表現、というのでしょうか。
感情を音楽に乗せて表現するよりも、
淡々と歌うことが私には合っているとも教えてくれた「くちなし」。
感謝の一曲です。

 

 

くちなし
~ 歌曲集『ひとりの対話』より ~

作詞:高野喜久雄
作曲:高田三郎

 

荒れていた庭 片隅に
亡き父が植えたくちなし
年ごとに かおり高く
花はふえ
今年は十九の実がついた

くちなしの木に
くちなしの花が咲き
実がついた
ただ それだけのことなのに
ふるえる
ふるえるわたしのこころ

「ごらん くちなしの実を ごらん
熟しても 口を開かぬ くちなしの実だ」
とある日の 父のことば
父の祈り

くちなしの実よ
くちなしの実のように
待ちこがれつつ
ひたすらに こがれ生きよ
と父はいう
今も どこかで父はいう

 

 

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