11月:深まる秋に

 

 

 

 

お庭にあるお気に入りのベンチに座り、大自然の秋を見上げて深呼吸をして深まる秋を五感全てで感じています。
なんと贅沢なのでしょう。
そして秋というのは何故か、過去を振り返ったり思い出させたりしてくれる季節でもあります。
私にとって大きな柱である「音楽」「歌」をあらためて考えることが出来る秋でもあります。
深呼吸していると微笑んでいる自分がいます。
ふと目を足元に目を向けますと可愛らしいお花が咲いていました。

声楽を学んでいた学生時代から「上手くなりたい!」ということを考えたことが無かった自分に初めて気がつきました。
ただ一つ心にあったことは「このような表現がしたい!」ということでした。
ではどうしたらこのような表現が出来るのか?
その表現が出来るテクニックを身につけ、使えるようにする、それだけの事です。とは言え、これが何よりも難しい事なのです!
しかし自分の声帯や声を自由に扱えるようになると、どの様な歌もうたえる喜びと幸せに包まれました。
まるで魔法でシルクハットから鳩が飛び出すようにパッと!!!
それまで悩んだことや努力がパッと!!!
そしてその喜びと幸せを得た時、
なんと音楽とは、歌とは、素晴らしいものなのかと感謝をしたのを思い出しました。

どの世界も競い合ったり、上手い下手を評価したりしますように声楽の世界にもあります。
若い年代ならではの貪欲さを持って過ごしても良かったとも思いますが、
私は全くそのようなことに興味がありませんでした。
ほんの少しの後悔もありますが、これが私。
自分の持っているものや感性を最大限に活かすのは自分でしかありません。
まだまだ活かさないと!
まだまだ魔法に会えるように!

こんなに可愛らしいお花からは想像つかないですが「千回煎じても苦い」ということからつけられた”センブリ”。
このような振り返りをさせてくれたのは、目の前に咲く”センブリ”のお花でした。

 

 

私に静けさをお返しください!

 

Ave Maria per l’aria
va il suon d’una campana.
Sorge venere pura e solitaria
da la selva lontana.

Oh! Come si diffonde
del vespero la pace!
La rondine ritorna a le sue gronde
e là s’addorme e tace.

Resta un murmure lento
di mille voci strane.
Forse tra i fiori e tra le siepi il vento
racconta storie arcane.

Chi sa quanti pensieri
in quel susurro grato!
Il vento canta e sopra i cimiteri
e i giardini è passato.

Ave maria,nel core
com’è dolce la sera!
Tu sai che ne’ tormenti dell’amore
è schietta la preghiera;

ond’io,nel cielo fiso
lo sguardo umido e l’alma:
“Ridonami,ti prego,il mio sorriso;
Ridonami la calma!”

 

Ridonami la calma!
Tosti / Ricci

 

 

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